応用データサイエンス学位プログラム所属の深澤佑介准教授は、イタリアのVerona大学コンピュータサイエンス学部(Dipartimento di Informatica – Università di Verona)のAlberto Bellusi教授から招待いただき、Verona大学にてセミナー講演を行いました。セミナーの内容は次の通りです。
メンタルヘルスの問題を早期発見することは、重症化を防ぐために非常に重要です。本セミナーでは、スマートフォンやソーシャルメディアの行動データを用いて、暗黙的にメンタルヘルスを推定するための様々なアプローチを紹介しました。個人のメンタルヘルスとソーシャルメディアやスマートフォン上での行動は複雑な関係があります。この関係を理解するため、機械学習、ディープラーニング、大規模言語モデル(Large Language Models: LLM)を用いた研究が多く行われています。まず、機械学習によるスマートフォンを用いたメンタルヘルス推定の一般的な手法について概説します。続いて、機械学習とLLMを利用したソーシャルメディアデータからのメンタルヘルス推定について説明します。私たちは、計算言語学と臨床心理学の国際会議(CLPsych2024)において、メンタルヘルスの悩みに関するソーシャルメディアの投稿データから自殺リスクの高いフレーズを抽出する課題に挑戦しました。私たちはエンコーダ―型の言語モデルとデコーダー型の言語モデルを統合する手法を提案し、結果として、15チームの中で1位を獲得しました。本セミナーでは、その研究についても紹介します。
引き続き、本学位プログラムでは、AIを活用した社会課題解決につながる研究活動を推進していきます。
講演内容
タイトル:「Estimating Mental Health from Smartphone and Social Media Data: LLM and Machine Learning meets Mental Health」
講演場所:Verona大学
講演者:深澤 佑介(応用データサイエンス学位プログラム 准教授)
講演日:2024年3月25日
URL:https://www.facebook.com/di.univr